或るひとつの朝

7時少し前に目を覚ました。近頃はだいたい6時57分。空白の3分間、タオルケットのやわらかな起毛に素足を絡め、両腕で緩慢に視界を遮り、夢との境界線を引き直しているうちに7時にかけていたアラームが鳴る。遠く霞み始めた夢の端を手放して、私はのっそり布団を抜け出す。

顔を洗い、髪を梳かし、化粧を済ませ、作り置きのごはんを温めながら弁当を詰め、食事を済ませて、服を着替える。簡単なルーチン。しかし、ひとつのバイタルチェックでもある。鬱エピソードの最中には、顔を洗うために洗面所に向かうことすら困難になることがある。食事を含み、噛んで、飲み込む、そんな単純な動作すらままならなくなったりもする。

朝が何事もなく終わる。それは容易に言い表せない感情を私に齎す。安堵のような、空虚のような、あるいは寂寥のような、胸が埋まらない心地に似ているかもしれない。今日は無事だった。だが果たして明日の私は無事だろうか。不安を一時的忘却に置き去りにした私には、実感が遠過ぎる。

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