カテゴリー: 散文詩

僕らはもう人格じゃない。かなしい曖昧はあの日に埋められて、僕らは君の望む機構になる。内側に閉じたシステムは誰にも侵されない君の愛。ちいさなアリスが戻るまで、剥き出しにされた柔な君を誰にも渡さないために。君が君を愛するよう

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カテゴリー: 散文詩

おいしいものはしあわせの味。いつわりのないしあわせの味。うたがう必要のない幸福はぼくをやさしくとろかすから、ちいさなテーブル埋めつくしてね。胃がはちきれるまで、しあわせの味。

カテゴリー: 散文詩

アリスの夢はとびらの向こう。エーテルの瞳の裏側にだって、うさぎの時計は見つからない。姉さまは今日も泣いている。ちいさなアリスはとびらの向こう。だって、知っていただろう。花の色は白かったんだ。

カテゴリー: 散文詩

ヒュプノスはまだお空のむこうがわ。タナトスとあそんでいるのだわ。るんたった、るんたった。わたしは跳ねておどるのよ。ワルツのリズムをおぼえるまで。だって眠くないのだもの。エーテルのまぶたのうらがわに、おほしさまが待ってるの

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カテゴリー: 散文詩

うふふ、そうよ、水はわたしの膚を裂いたわ。かれらは喜んでいるのよ。 「愛娘よ、おどるがいい。幸福はあふれでるものだ。肉にとじこめていてはならぬ。さあさ、われらも祝福しよう!」

カテゴリー: 散文詩

とおい波音。とおくに、とおい。かえらないのはわたしの手足。心臓は眼窩のうらがわに。青い世界におぼれていった、あの子は二度とかえらない。水槽のなかでほほえんで、こちらがわを見ていたわ。とおい波音。とおくに、とおい。ここにい

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カテゴリー: 散文詩

かなしいならば、くらげをお食べ。ふうより、ふより、ゆらめく影をぱくりと一息に呑み込むがよい。おまえはくらげになるだろう。瞬きの間にからだはなくなり、水面の夢にかえるだろう。それがくらげのさがだから、何もかなしむことはない

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カテゴリー: 散文詩

海を染めた血の色は、あなたの涙、あなたの願い。あざやかに青と混ざって消える。祈りはとうに海の底。赤色ばかりが反射して、目蓋の裏におどっているの。ルティス、ラトリス、ポルティスカ。食いちぎってよ、ぼくの心臓。

カテゴリー: 散文詩

衝動はない。情動も。ゆるやかに旋回するわたしはまだ生える前の心臓をかぞえる。薬はわたしを生かしている。薬はわたしを正常にする。異常はもはやほど遠いのだが、それでも夢から醒めずにいる。

カテゴリー: 散文詩

びいどろの玉の海をのんだ。当然ぼくの胃ははちきれたのだが、それは大層うつくしく弾けたのだ。おびただしいものが世界を埋めて、びいどろは夜空の星だった。ぼくは海となり、空であり、世界は肉のなかにあって、きらきらひかる、きらき

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